前例のない寒波がフロリダを襲い、極端な気温と亜熱帯地域での降雪をもたらしている

フロリダ州は2月初旬に、異例の寒波に見舞われ、州の気候風景を一変させている。これまでほとんど雪の降らなかった都市にも歴史的な降雪が観測され、近年の気象記録を塗り替える事態となっている。この未曾有の気象現象は、従来の気候パターンを逆転させ、アラスカと同時に観測される低温を記録した地域もあり、気象学者や住民を困惑させている。

タンパからマイアミまで:亜熱帯気候に挑む歴史的記録

この寒波の強度は州内各地で異なる影響をもたらしている。オーランドでは気温が-4°Cまで下がった一方、タンパなど沿岸都市では午前4時45分頃に国立気象局(NWS)の観測による雪が降り、専門家たちもオフィスからその様子を確認した。

州内で最も亜熱帯的とされるマイアミでは、2010年以来最も寒い未明の気温0°Cを記録し、2月の新たな日別最低気温記録を更新した。さらに、州の中央部や北部へと範囲を広げると、デイトナビーチは-5°C、メルボルンは-3.8°C、ヴェロビーチは-3.3°Cに達し、複数の月間最低気温記録を塗り替えた。

最も驚くべき比較は、アラスカのジュノーで同時に0°Cを記録している点であり、この温度逆転現象は、地球規模の気候変動の象徴ともなっている。

極渦が引き起こす寒冷爆弾と米国南東部の凍結

これらの極端な気象条件の背後には、複雑な大気の動きがある。極渦の巨大な擾乱がジェット気流を歪め、深い偏西風の谷を形成。これが北極圏の冷気を直接運ぶ「氷の管」となる。この見えない「チューブ」はハドソン湾から直接メキシコ湾へと冷気を運び、フロリダの端まで冷気を届けている。

同時に、オメガ高圧帯と呼ばれる高気圧のブロックが米国西海岸とアラスカ南東部を温暖に保ち、寒波の持続とコントラストを強めている。

タンパの雪は、「ゴルフ効果」と呼ばれる特定のメカニズムによるものだ。北極からの風が比較的暖かい水域(約10°C)から湿気を吸収し、その水蒸気と冷たい高空の空気(6°C〜10°Cの範囲)との間に熱的不安定性が生じ、雪の結晶を形成する。この現象は記録されているが、地域にとっては頻度と強度ともに異例のものだ。

電力システムの崩壊と極寒による緊急警報

気温だけでなく、影響は広がっている。poweroutage.usのデータによると、フロリダ州内で約2万世帯と事業所が停電し、多くの住民が暖房を失い、北部では-6°C、南部では1°Cの寒さに直面している。

国立気象局は複数の警報を発し、「危険なほど寒い」との注意喚起を行い、強風や荒れた海象も加わり、緊急事態の対応を難しくしている。

回復予測:フロリダに暖かさはいつ戻るのか?

今後数日の予報では、寒さは続くものの、緩和の兆しも見られる。最高気温は7°C程度にとどまり、早朝の体感温度は-6°Cまで下がる見込みだ。夜間も引き続き非常に冷え込み、最低気温は-3°C前後、広範囲で霜が降り、月曜日の夜まで続く。

追加の雪片の可能性もあるが、地表の積雪は大きくは期待されていない。火曜日からは徐々に気温が上昇し、最高18°C前後に回復、フロリダの亜熱帯気候への復帰が見込まれる。

この極端な事象は、極渦の動きが米国内の最も暖かい地域でも劇的な気候変動を引き起こす可能性を改めて示している。

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