成長株を選ぶ際の重要な5つの基準(EPS指標に基づく)

EPSを理解する - 賢い投資判断の基礎

指標EPS (Earnings Per Share)は、投資家が各株式の収益性を評価するための最も基本的な指標の一つです。これは本質的に、発行済み株式1株あたりの純利益を示します。

EPSの計算式は次のとおりです: EPS = (純利益 - 優先配当) / 発行済み株式総数

ここで、税引後利益 = 総売上高 - 営業費用 - 法人税

EPSが高くなるほど、企業が効率的に運営されており、利益創出能力が向上していることを反映します。ただし、この結論は長期的な視点、(5年以上)の期間で考慮した場合に限ります。

具体例:EPSが株価に与える影響

EPSの力をより理解するために、実例を見てみましょう。

2020年、企業Xは純利益1000ドル、流通株式数は1000株でした。このとき、EPS = 1000 ÷ 1000 = 1ドル/株。

2021年、純利益は1500ドルに増加し、株式数は変わらず1000株のままです。このときのEPSは:1500 ÷ 1000 = 1.5ドル/株。

この数字は、EPSが1年で50%増加したことを示しています。これは、ビジネスがより良く成長し、より多くの利益を生み出していることを示唆します。長期的には、市場は株価の上昇を期待します。

しかしながら、短期的(1年未満)には、EPSの増加が必ずしも株価の上昇につながるわけではありません。理由は、市場が投資家の心理や資金流動に大きく影響されるためです。

時間 EPS増加 EPS減少
短期 (< 1年) 強気市場 → 株価上昇; 弱気市場 → 株価下落 同様
長期 (> 5年) 株価上昇 株価下落

良い株を選ぶために必要な5つの要素

投資成功率を高めるためには、EPSだけに頼るべきではありません。次の基準と組み合わせて評価しましょう。

1. 売上高は安定的に成長していること

EPSの増加は、企業の売上高も同様に安定的に増加している場合に価値があります。売上高が高く、コスト管理が良好であれば、純利益も増え、結果としてEPSも向上します。

シンプルな法則: 売上高増加 → 純利益増加 → EPS増加 → 株価上昇の可能性

注意点:一部の企業は、大きな資産(土地、工場)を持っているものの、事業活動からの売上は弱い場合があります。これらの資産は一時的な収入を生むこともありますが、長期的な収益性を反映しているわけではありません。

2. 配当は安定的かつ増加傾向にあること

配当は、企業が株主に分配する利益の一部です。これは企業の財務健全性を示す重要な指標です。利益が良好で安定している企業は、年々配当を増やす傾向があります。

マクドナルドは代表的な例です。売上高と配当は43年以上連続して増加し、新規株主も増え続けています。これは、投資家が企業の持続的な収益力を信頼している証拠です。

3. P/E比率は適正な範囲内であること

P/E比率 (Price-to-Earning)は、現在の株価と1株あたり利益(EPS)の比率です。

計算式:P/E = 株価 ÷ EPS

この指標は、1単位の利益を得るためにいくら支払う必要があるかを示します。P/Eが高い(> 25)場合、株価は過大評価されている可能性があり、低い(< 12)場合は過小評価されている可能性があります。

投資家にとって、P/Eは「時間の尺度」のようなもので、初期投資の回収までの時間を予測するのに役立ちます。

レベル P/E
> 25
< 12

注意:業種ごとに特性が異なるため、同じ業界内で比較することが重要です。

4. 企業は自己株式買い戻しの方針を持つべき

企業が市場で流通している株式を買い戻すと、株式数が減少します。これにより、純利益は変わらなくてもEPSが向上します。

例: 2018年、企業AAAは純利益40ドル、流通株式数40株でした。このとき、EPS = 40 ÷ 40 = 1ドル、株価は約40ドル/株。

2019-2020年、売上は変わらないものの、AAAは20株の自己株式買い戻しを決定しました。このとき: EPS = 40 ÷ 20 = 2ドル

同じ純利益でも、EPSは2倍になり、株価は80ドルに上昇する可能性があります。これが、企業が株主に価値を還元する一つの方法です。

EPSを利用する際の重要な注意点

短期間でのEPS評価は避けるべき

EPSは、特定の期間の財務状況と収益性を反映します。ただし、1-2年の間にEPSが増加したからといって、必ずしも良い兆候とは限りません。

理由:一部の企業は、土地や建物、工場などの資産を売却して利益を得ることもあり、これらは本業の収益とは関係ありません。EPSだけを見ると増加しているように見えますが、長期投資には適さない場合があります。

EPSの増加は現金の増加を意味しない

最大の落とし穴の一つは、会計上の利益と実際のキャッシュフローの誤認です。Netflix (NFLX)は典型例です。EPSは連続して増加している一方、営業キャッシュフローはマイナスであり、負債も増加しています。

これは、帳簿上の利益が高くても、実際には資金不足で運営できていないことを意味します。資金流出が進行しており、投資家にとって非常に危険です。

結論: 常にキャッシュフロー(Cash flow)も併せて確認し、企業の財務健全性を総合的に判断しましょう。

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