2025年8月、ワシントンではFRB議長の座を巡る駆け引きが繰り広げられている。

トランプ氏はSNSで砲火を浴びせ、矛先は元財務長官ムニューシンへ向けられた——そもそもパウエルをFRB議長に強く推薦したのは彼だった。トランプ氏の怒りは大きい：利下げがカタツムリのように遅く、市場が無駄に大きな損失を被った。現在、財務長官ベセントが渦中の人となり、未来の議長候補リストを手にして大きなプレッシャーを感じている。トランプ氏の意図は明白だ：早く迅速な利下げに動く人物を見つけろ、さもないとベセントも責任を取らされるぞ。

現時点で最有力なのはハセットで、彼にはトランプ氏の突飛なアイデアを実行可能な政策言語に翻訳する能力がある。他の候補者であるウォルシュ、ウォラー、リードも様子をうかがっている。ベセントは自分への圧力を和らげようと、FRB議長にも一票分の権限しかないことを繰り返し強調しているが、トランプ氏はそんな言い訳には耳を貸さず、引き続き圧力をかけている。

金利の発言権を掌握するため、トランプ氏はすでに布石を打ち始めている：まずミランをFRB理事会に送り込み、公然・密かにクックを追い出そうとし、三日に一度はパウエル解任をちらつかせている。候補者たちも時勢を読んで利下げ支持を次々と表明。ハセットは借入コストの引き下げを直言している。

だが理想は膨らむ一方で、現実は厳しい。大幅な利下げにはFRB内部の賛同が得られないかもしれず、債券市場も大荒れになるだろう——波乱が起これば、誰も無傷では済まない。さらに面白いのは、ベセントがこれまでの財務長官によるFRBへの丁寧な姿勢を打ち破り、公然と改革を突きつけていることだ。例えば地方議長はその土地に3年以上居住しなければならないという厳格な規定まで提案している。

最終的に誰がこの座に就くにせよ、一つだけはっきりしている：FRBの変革はすでに始まっている。