昨夜、トランプ氏は閣議で直接的に表明し、来年初めには新しいFRB（米連邦準備制度理事会）議長を発表してパウエル氏の後任に据えると述べました。さらに重要なのは、その場でホワイトハウス経済顧問ハセット氏を指して「有力候補はここにいる！」と言ったことです。これはほぼ明示的なサインといえるでしょう。

このニュースが暗号資産市場に与える影響は小さくありません。現職のパウエル議長は、利下げが遅すぎる・慎重すぎるとトランプ氏から度々批判されてきましたが、ハセット氏はよく知られた「ハト派」です。以前から就任後すぐにより積極的な利下げ策を取ると公言しています。市場の反応も率直で、ハセット氏が有力候補になったとのニュースが出るや否や、長期金利はすぐに下落し始めました。なぜか？資金が彼の金融緩和策に賭け始めているからです。

個人的には、この出来事の重要性は単発の利下げ決定を上回る可能性があると考えています。もしハセット氏が本当に議長に就任すれば、今後4年間のFRBの政策スタンスが「インフレ抑制」から「成長刺激」へと完全にシフトすることを意味し、世界的な流動性の扉が再び開かれることになるでしょう。

一般投資家として、今何をすべきでしょうか？

まず、慌てたり、すぐに全力買いで高値を追ったりしないこと。このニュースの影響は長期にわたり、数ヶ月、場合によっては数年続く可能性がありますので、十分に準備する時間があります。ポイントは以下の通りです。

**タイミングを注視する**：トランプ氏は年初に候補を発表すると言っていますが、その後は上院の承認が必要です。このプロセス自体がマーケットの繰り返しの材料となるでしょう。

**ビットコインの動きを観察する**：市場の期待は政策実行より先に動きます。ビットコインがこの期待を背景に重要なサポートラインを維持できれば、大口資金が本気でこのストーリーを信じている証拠です。

**押し目で分散して入る**：今後数ヶ月、短期的なパニックや利益確定による調整は、この大きな流れを理解している人にとって絶好の買いチャンスとなり得ます。

ひとつ覚えておいてほしいのは、暗号資産市場ではニュースそのものよりも、その背後にある権力闘争や政策ロジックを読み解くことが重要だということです。FRB議長の交代は、今後数年のゲームルールを書き換える最重要イベントのひとつになる可能性が高いでしょう。